レモンのブームとともに、注目が集まっているお酒が「レモンサワー」。レモン+焼酎という、シンプルな組み合わせは、多くの居酒屋にある定番メニューです。「レモンサワー」探訪では、日本発祥(※1)のステキな飲み物、レモンサワーにこだわりを持った飲食店を紹介していきます。今回は「レモンサワーグランプリ 2018 in 関東(※2)」で準グランプリに輝いた、インスタ映えが狙えるレモンサワーのお店に行ってきました。
港町横浜で、イタリアン×レモンサワーを
連載6回目は、はじめて東京を離れ横浜・関内の「肉と石釜ピザのイタリアン Pizza Cozou(ピザコゾウ)」へ。
横浜駅からJR根岸線・横浜市営地下鉄に乗って南へ約5分、関内駅に到着。北口に出るとすぐに異国情緒漂う商店街「イセザキ・モール」の入口です。「イセザキ・モール」の始まりは明治7(1874)年!新旧さまざまな商店が400mにわたって並んでいます。Pizza Cozouは商店街の真ん中。勉強堂ビルの2Fにあります。
2015年にオープンしたお店の外観はレンガ造り風で、古くから栄えてきた港町の雰囲気にぴったり。
女子会やウェディングパーティーの気分を上げてくれるピンク色の店内。窓の外に飾られているのは横浜出身の琴野 杏さん(ホール担当 中山 夢路(ゆめじ)さんの義理のお姉さん)の作品で、気に入ったら購入することもできます。
それでは、さっそくレモンサワーをお願いします。
インスタ映えの最高峰!バラ満開のレモンサワー
Pizza Cozouのレモンサワーは3種類。まずは「バラ香るフローズンレモンサワー」(680円)をバーテンダーの中山 大夢(だいむ)さんに作ってもらいました。こちらは参加した飲食店よりエントリーされたオリジナルレモンサワーメニュー121件の中から店舗PR内容、試飲審査、消費者投票で決まる「レモンサワーグランプリ 2018 in 関東」で準グランプリに輝いたレモンサワーなんです。
まずは凍結と生の2種類の角切りレモン、焼酎、炭酸水、レモンシロップから作ったシャーベットを順番に入れていきます。このままでも手の込んだレモンサワーですが、驚くべきは仕上げ!ミントと、大輪のバラが入ります!
美しい……!バラは何でできているんですか!?
「これもレモンなんです。ひとつのレモンを40~50枚に薄くスライスしているんですよ。ローズ、グレナデン(ザクロ)、さらにアセロラに似たさんざし酒をブレンドした特製の赤いシロップに1週間漬けて色づけしています」
実は、大夢さんはお酒が飲めないバーテンダー。レモンサワーグランプリに出品するために、フラフラになりながら試作を繰り返して完成させた一杯。680円で飲めてしまうなんて贅沢です!
凍結レモン、レモンシャーベット、そしてフローズンのバラ。氷替わりに使っているのはすべてレモン。居酒屋さんのレモンサワーとは異なり、さっぱりした甘口で女性でも「スッ」といけそう!さらにバラの花びらは一枚ずつはがしてパクパク食べられます。溶けてくるとふわっと広がって、まるで本物のバラのよう。味も見た目も完璧な「バラ香るフローズンレモンサワー」。インスタ映えを狙ってみてくださいね。
バラ以外にも!人気の変わり種レモンサワーが飲める
続いては、向かって右の「マローブルー」(680円)。惜しくも入賞は逃したものの、南国のリゾート気分を味わえる一杯です。名前の由来は青い花を乾燥させたハーブティー「マローブルー」を焼酎に漬け込んでいるからなのだそう。
「お客様自身で最後にレモン果汁を入れていただき、色の変化を観察しながら楽しんでもらいます。下のゼリーにはブルーキュラソー(オレンジ果皮のリキュール)とローズシロップが入っていて、炭酸に合う大人のデザートが楽しめますよ」
レモンだけでなく、マローブルーやブルーキュラソーの味が爽やか。焼酎ベースとは思えないほど「洋」な味です。組み合わせひとつであれこれ変化するのがレモンサワーの長所なのだと改めて気づかされました。
3つ目はモヒートのようでモヒートでない「ジャパニーズレモンサワー」(680円)。レモンの飾り切りがレモンサワーのクオリティを超えています!ピリリとする独特の味わいはもしかして?
「2つが洋風レモンサワーなので、こちらは和風。わさび入りです。生まれてはじめてレモンサワーを飲んだ時に直感で『わさびに合いそう』と思ったんですよね。その時を思い出しまして、大葉も入れた辛口サワーを作ってみました」
そして、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、3点それぞれ使っているグラスが違います。オーダーやお客様に合わせてグラスを選んでくれるのだそう。細やかな配慮が嬉しいですね。女子会などで、3種類注文し飲み比べるのも楽しそうです。
生地から選べる!石窯で焼き上げるピザ
看板メニューのピザは、店長の中山 夢雅(むが)さんが特別にオーダーした石窯を使って焼き上げています。ピザ生地はモチモチの「ナポリ」、カリカリの「ミラノ」の2種類。今回は食感がレモンサワーに合うというミラノ生地で「気まぐれピザ」(1,180円)をお願いしました。
取材当日は「枝豆とサラミのトマトソースピザ」。こちらは和と洋の二大おつまみが同時に楽しめる一枚です。カリっとした歯触りと枝豆、サラミだけでレモンサワーが進みますが、トマトソースの酸味とレモンサワーの酸味のマリアージュも最高です。
基本的に月替わりのメニューなのだそうですが、旬の食材が入荷すると一カ月経たないうちに変更になるというまさに気まぐれなピザ。訪れた時に、どんなピザが食べられるかはお楽しみ!
こちらは「熟成肉のサガリの炙り焼き」(1,380円)。「サガリ」とは牛一頭からわずかひとつしか取れない横隔膜近くの希少部位。40日間熟成したサガリは、柔らかいのに脂肪分が少なく、やみつきになります。直火で焼いているので香ばしく、3つのレモンサワーすべてに合いますよ!
「小僧たち」の夢が詰まったイタリアン酒場
「店員さんの息がぴったりで、笑顔にあふれたお店だな」と感心していたところ、皆さんご家族ということが判明!もともと3人のお父さんが中心となってイタリアン酒場をオープンさせる予定でしたが、残念ながら直前で逝去。そこで次男の夢雅さんが店長となり、2015年6月に開店させました。
店名を聞いたところ、お父さんが3人のことを「小僧たち」と呼んでいたからなのだとか。ピザが名物のお店なので「膝小僧」とかけて「ピザコゾウ」に。店名にも家族の絆が垣間見えます。
店長の夢雅さんもオープンまでイタリア料理の経験はなく、大夢さんもバーテンダーの仕事をほとんど独学で覚えたそうです。独学だからこそ、新しいメニューが次々と生まれるのかもしれませんね。取材後、お店の外までお見送りしてくださった中山さんご一家。冷たくて華やかなレモンサワーと、温かい接客が自慢の「肉と石釜ピザのイタリアン Pizza Cozou」。関東のレモンサワー界をけん引する存在になりそうです!
価格はすべて税抜きです。
1 諸説ございます
2 レモンサワーグランプリ 2018 in 関東対象は東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・群馬・栃木の「ぐるなび」に掲載があり、「レモンサワーグランプリ 2018 in 関東」に参加同意した飲食店になります。
取材ご協力
お酒に関する記事です。飲酒は20歳になってから。