レモンのブームとともに、注目が集まっているお酒が「レモンサワー」。レモン+焼酎という、シンプルな組み合わせは、多くの居酒屋にある定番メニューです。「レモンサワー」探訪では、日本発祥(※1)のステキな飲み物、レモンサワーにこだわりを持った飲食店を紹介していきます。今回は「レモンサワーグランプリ 2018 in 関東(※2)」でグランプリを受賞した話題のお店に行ってきました!
池袋で関東No.1のレモンサワーを体験!
都内で飲食店の激戦区といわれる池袋駅の西口から徒歩3分。にぎやかな飲食店が立ち並ぶロマンス通りの突き当たりのビルの8Fに、「和食個室×とろろしゃぶしゃぶ にっぽん市 池袋店」はあります。
こちらはなんと参加した飲食店のエントリーされたオリジナルレモンサワーメニュー121件の中から店舗PR内容、試飲審査、消費者投票で決まる「レモンサワーグランプリ 2018 in 関東」でグランプリを受賞したお店なんです。
さっそく、入ってみましょう!
一面に広がる赤い壁と柔らかい灯りが印象的な店内。まるで京都の町家に遊びに来たみたい!個室・半個室それぞれに葛飾北斎や琳派の壁紙が貼られていて、座っているだけで非日常を体感できます。外国から来た友人を連れて行っても喜ばれそうです。
さて、関東の1都6県、121件の頂点に輝いたレモンサワーの味、とても気になります!大将、お願いします。
こんなレモンサワー飲んだことない!新感覚の凍結レモンボール
まずはグランプリを受賞した「本気の凍結(ガチガチ)レモンジュレップサワー」(550円)を、大将こと店長の石井 宏和さんに作ってもらいました。
「このレモンサワーの特徴は、真ん中に浮いている凍らせた“レモンボール”です。ブレンドしたレモンサワーの素と、角切りにしたレモンをよく混ぜてから丸い型に流し込んで凍らせているんですよ。焼酎もシャーベット状にして提供しているのですぐに溶けることなく、名前の通り『本気の凍結』を楽しめます」
レモンを丸ごと凍らしたものはあっても、凍ったレモンボールのレモンサワーは新しいですね!もう、グラスのふちの粗塩も雪の結晶のように見えてきました……。
仕上げにそっとのせるのは、凍結用にも使われた角切りレモン。
「こちらは秘伝のレモンサワーの素とレモンをミックスして漬け込んでいます。ノンワックスのレモンを使用しているので、皮ごと食べても安心。お客様には、レモン本来のさわやかな香りを楽しんでいただきたいので、最後に入れています」
さらに、レモンボールを専用のスプーンで潰して、ゆっくり溶かしながら味の変化を楽しめるのがこのレモンサワーの醍醐味です。うまみが閉じ込められたレモンボールのおかげで、溶けても薄まらないのが嬉しいところ。
また、ジューシーな角切りレモンを味わえるのも何たる贅沢!じっくり漬け込まれているので、皮に苦味はなく、甘みと爽やかな香りが口いっぱいに広がります。飲みごたえ・食べごたえ十分で、飲み口はドライな「本気の凍結(ガチガチ)レモンジュレップサワー」。レモンサワーグランプリ受賞も納得の味とアイデアです。
お店にはもうひとつ、人気のレモンサワーがあるんです。その名も「ピンクレモネードジュレップサワー」(550円)。こちらは先ほどのレモンサワーよりほんのり甘く、若い女性に特に受けているのだそう。
「レシピはほとんど同じですが、こちらには甘めのサワーとシロップを使用していて、レモンサワーに飲み慣れない方でも飲みやすいように考案しました。カクテルほど甘すぎず、サワーほどドライすぎないので、お酒以上にお箸も進みます!」
続いてレモンサワーに合うお料理を作っていただきました。
ひと工夫が満載。にっぽん各地の味を池袋で
「武州豚のとろろしゃぶしゃぶ鍋」(一人前1,800円)は店名に入るほどの看板メニュー。レモンサワーの酸味が食欲をかきたてるので、スルスルとお腹に入ります。また、レモンボール入りのレモンサワーは溶けても味が薄くならないので、ゆっくり食べる鍋料理でも安心。
「埼玉県産の武州豚は脂の融点が低いのが特長で、しゃぶしゃぶにぴったりです。味のベースは自家製のそばつゆと水素水で、まろやかな風味の鍋になるんです。つけだれ用のとろろは『ネバリスター』。ホクホク感も残しつつ、なめらかな食感が特徴の北海道産の新種の長芋です。豚肉と一緒だとさらに甘みが広がります」
「お鍋に入れるのは、長芋と大和芋のミックス。長芋だけだとシャキシャキ感が出てしまい、大和芋だけだと粘りが強すぎてダマができてしまうのですが、2種類を混ぜるとちょうどよいふんわり感がでるんですよ」
お次は「釧路スパカツ」(980円)。サクッとしたカツと濃厚なミートソースはさっぱりしたレモンサワーにぴったり。スパゲッティー、ミートソース、カツ3点をよく混ぜてからいただきます。甘みのあるお肉の脂がスパゲッティーに絡んで至福のおいしさです。肉×肉にもかかわらずもたれないのはレモンサワーのおかげですね!
「こちらは北海道釧路市の名物料理です。『B級グルメ』というとチープに見られているような印象があって。お店で出すことで、B級ではなくこんなにおいしい郷土料理なんだぞ、と知らしめたかったんです」
こちらは若い女性からの注文が多いという「タルタル海老フライ パフェ仕立て」(780円)。インスタ映え必至の見た目で、海老フライが隠れるほどタルタルソースが盛られています。「私自身、タルタルソースが大好きなので、ちょっとしかついていないとガッカリしてしまうんですよね。この一皿で自分の理想を実現できました!大人数でつまむにもいいですよ」
このタルタルソース……食べたことのない味です。濃厚なのに甘みがあってレモンサワーが進みます。
「ガリを刻んで入れています。独特の甘酸っぱさがタルタルに合いますし、歯ごたえもよく飽きの来ない味に仕上げました」
にっぽんの市場を目指してお店をオープン
石井さんが池袋にお店を構えたのは2011年のこと。店名の「にっぽん市」の由来は、日本各地の郷土料理を食べられる「市場」のような空間にしたいという思いからなのだそう。
「お店を始める前はフードコンサルタントをしていたので、各地の郷土料理を食べる機会が多かったんです。その経験を生かして郷土料理を出すお店として開店したのですが、今はとろろしゃぶしゃぶのような創作料理がメインになりました。食いしん坊なので、食に関してのアイデアが止まらないんですよ(笑)」
アイデア光る独自路線のレモンサワー
進化系というより、独自路線を極めた「本気の凍結(ガチガチ)レモンジュレップサワー」ですが、どのようにして思いついたのですか?
「まずは、ほかのお店で出していないものを作ろうという熱意が一番でした。毎晩営業後に社員と一緒に『ああでもないこうでもない』と試行錯誤して生まれたんです。先ほども言いましたが根が食いしん坊なので、おいしいものを作りたい気持ちがまさって苦労はなかったですね。強いていうなら、開発のためについつい飲みすぎたことくらい(笑)。ほかとは一線を画すレモンサワーでしたから、グランプリを獲る自信はもちろんありました。投票期間中も『絶対にグランプリを獲れるよ』と応援してくれたお客様との絆も心強かったです」
取材当日はグランプリ受賞が決まって日が浅いこともあり、レモンサワーのムーブメントはこれからといったところ。レモンサワーファンなら早めに押さえておくべき一杯です!メニューは和食が中心なので、ビール・日本酒の注文が多いというこちらのお店。グランプリ受賞で、レモンサワーが「とりあえずビール」の座を取って代わる日も近いかもしれません。
価格はすべて税抜きです。
1 諸説ございます
2 レモンサワーグランプリ 2018 in 関東対象は東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・群馬・栃木の「ぐるなび」に掲載があり、「レモンサワーグランプリ 2018 in 関東」に参加同意した飲食店になります。
取材ご協力
お酒に関する記事です。飲酒は20歳になってから。