みんな大好き!お酒の定番「レモンサワー」探訪♯4|スタンドキッチン ルポン(西荻窪)

国産レモンのブームとともに、注目が集まっているお酒が「レモンサワー」。レモン+焼酎という、シンプルな組み合わせは、多くの居酒屋にある定番メニューです。「レモンサワー」探訪では、日本発祥のステキな飲み物、レモンサワーにこだわりを持った飲食店を紹介していきます。

レモンの山があなたの帰りを待っている!

レモンの山があなたの帰りを待っている!

連載4回目の取材のために向かったのは、新宿からJR中央線・総武線に乗って西へ約12~15分。西荻窪駅。南口に出ると、すぐ右手には飲食店が並ぶ歴史を感じる横丁(通称:戎通り)があります。
駅に着いてほっと一息。で、さっそく一杯飲めるなんてサイコーのロケーションです。おいしいレモンサワーが飲めると評判の「スタンドキッチン ルポン(stand kitchen Lepont)」は、横丁の風情にしっかりマッチしています。

ブルーグレーの壁と透明のスレート板づくりの扉が涼しげな外観。店内は4.5坪。10人ちょっとが一緒に飲める立ち飲みスペースの床は元倉庫の地を生かしたモルタル仕上げで、天井は波型のスレート板。なんだか海の家のような開放感があります。

カウンターにはレモンの山が並び、おすすめメニューを示すポップも黄色。

そして、なにより目に付くのがレモン色!カウンターにはレモンの山が並び、おすすめメニューを示すポップも黄色。やさしい暖色に囲まれていると、それだけで穏やかな雰囲気に包まれます。では、善は急げ。「スタンドキッチン ルポン」の特製レモンサワーをいただきましょう。

次々と現れる、ここだけで飲める特製レモンサワー

次々と現れる、ここだけで飲める特製レモンサワー

自家製レモンサワーは4種。店長の津波古 廉さんに、まずは「ジャック(480円)」を作っていただきます。

焼酎グラスにカチ割り氷。キューブ状の氷を使わないのは、溶けやすくて雑味があるからだそうです。さっそくのこだわりに感心している間もなく、そこに50mlの特製レモン酒が注がれます。

レモン酒は、レモンの皮を剥いだ果肉をコアントロー(オレンジのリキュール)を隠し味に加えたキンミヤ焼酎に1カ月間漬け込んで作ります。

「レモン酒は、レモンの皮を剥いだ果肉をコアントロー(オレンジのリキュール)を隠し味に加えたキンミヤ焼酎に1カ月間漬け込んで作ります。コアントローは、レモンのとんがりを和らげるため。できあがったら、カウンター上の7Lの大瓶に移します。大瓶内の果肉はしょっちゅう入れ替えています。」

レモンの消費量は、毎日キロ単位。レモンの山は飾りではなく、その日その日の材料なのです。

レモンの消費量は、毎日キロ単位。レモンの山は飾りではなく、その日その日の材料なのです。

マドラーでレモン酒をささっと攪拌。グラスの淵をひと周りさせたカットレモンを入れて、もう一度攪拌します。

マドラーの裏を使ってそっと強炭酸を注ぎ入れると、グラスはスノーボールのごとく泡だらけで真っ白に。

マドラーの裏を使ってそっと強炭酸を注ぎ入れると、グラスはスノーボールのごとく泡だらけで真っ白に。市販されている強炭酸は約4~6気圧ですが、このお店では業務用ソーダマシンで作られる約8気圧の最強の炭酸を使っています。おいしいものを提供しようという気合、もとい、気圧が違います。ちなみに、炭酸水だけをひと口いただくと、痛く感じるほど。口内で炭酸が花火のようにぱちぱち弾けます。「ジャック」完成。津波古さんの流れるような手際の美しさを眺めているだけで、ちょっと酔えます。お味は、すっきりドライでクール。

ジャック(480円)

お次の「クイーン(530円)」は、ジャックに特製レモンシロップを加えたもの。

クイーン(530円)

「レモンシロップは、黒糖と三温糖でシロップの原液を作ってからレモン果汁で割っています。アルコールがダメな方には、このシロップをベースにしたソフトドリンクをおすすめします」。クイーンをひと口。う~ん、甘口でおいしい!女性に大人気なのもうなづけます。甘みがレモンの酸味を際立たせてさわやかさが満開。こちらも杯が進みそう。

3番手は、<レモン酒+レモンシロップ>に、ダイス型にカットした果肉を1カ月間塩漬けしたレモンが入った「キング(580円)」。その名の通り、さすがは王様。酸味と甘みにしっかりした塩味が加わって、レモンの旨味も楽しめます。腰を落ち着けてじっくりいきたい奥深い飲み口です。

キング(580円)

実はもう1種「ジョーカー(時価)」という季節ごとに替わるレモンサワーがあります。これまで、ミントやシナモン、キンカンなどを使ったジョーカーがデビューしているそうですが、この記事が掲載されている時期には、どんなジョーカーが出現するのか、お楽しみに!

ジャック(480円)、クイーン(530円)、キング(580円)

さて、津波古さんには休む間もなく、レモンサワーに合うお料理を作っていただきました。

地域コミュニティを活性化する橋渡し的存在に

地域コミュニティを活性化する橋渡し的存在に

「へべすと青唐辛子のまぜそば(800円)」は、お店の看板メニューです。「ポトフとソーセージが名物のビストロをやっていたオーナーが2軒目に出したのが、このお店(2017年7月オープン)。一軒目で裏メニューとして出していたのが、まぜそばだったんです。そもそも、なぜまぜそばなのかというと、オーナーの知り合いが流通に関わっている宮崎産のへべすというカボスやスダチに似た果実を料理に生かすために開発しました」

へべすと青唐辛子のまぜそば(800円)

自家製鶏ハム、生卵、ビネガー漬けの青唐辛子につけ麺用の中華麺。そこにへべすの果汁がたっぷりとかかったまぜそばは、まろやかベースで甘みと辛味、酸味がコラボしたカラフルな味を楽しめます。お好みで振りかける梅のカリカリもぜひ試して。色合いが映えるだけでなく、味のバリエーションも増えます。

自家製鶏ハム、生卵、ビネガー漬けの青唐辛子につけ麺用の中華麺。そこにへべすの果汁がたっぷりとかかったまぜそば

自家製メンマに青唐辛子を添えたおつまみ(300円)も、レモンサワーの友にぴったり。

自家製メンマに青唐辛子を添えたおつまみ(300円)

かすかに感じるニンニクの風味と青唐辛子の辛味、そしてやわかたい歯ごたえが、サワーのお代わりを誘います。そういえば、このお店は生ビールがメニューにないんですね?

店長の津波古 廉さん

「もともと倉庫だった小さなスペースを改装したお店なので、ビールサーバーの設置場所を取れなくて。それならば、多くの人に受け入れられやすいレモンサワーを看板メニューにしたお店にしようと」

立地条件を逆手に取った新機軸は大成功。お客さんの男女比は6:4で、20代から80代(!)までと幅広いそうです。

「2軒目、3軒目のタイミングで来店される方が多いです。このへんは飲み屋さんが多いので、ささっと飲んで次へみたいな。店名のルポンは、フランス語で『橋』の意味。周辺の飲食店の橋渡し役になりたいというオーナーの考えが込められているんです」

お店の壁には西荻窪マップ

お店の壁には西荻窪マップが描かれていて、おすすめのお店がいくつもピックアップされています。「withレモン」のステッカーも仲間に入れてもらえませんか?」と聞くと「いいっすよ」と即答!その場でペタリと貼ってくれました。「スタンドキッチン ルポン」が、初めて訪れた人にも常連さんにもレモン好きにもやさしい、西荻窪コミュニティの聖地たる理由が垣間見えた夜でした。

西荻窪マップ「withレモン」のステッカー

取材ご協力

スタンドキッチン ルポン

スタンドキッチン ルポン

住所/東京都杉並区西荻南3-11-5
電話番号/なし
営業時間/17:00~翌2:00(L.O. 翌1:00)
定休日/なし

お酒に関する記事です。飲酒は20歳になってから。

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