国産レモンのブームとともに、注目が集まっているお酒が「レモンサワー」。レモン+焼酎という、シンプルな組みあわせは、多くの居酒屋においてある定番メニューです。レモンサワーって、実は日本発祥なんですよね。知っていました?
今ネットを賑わせているホットワード「レモンサワー」にスポットを当てた連載が始まります!
都内を中心に、レモンサワーにこだわりを持った飲食店を紹介します。
恵比寿西の路地裏にひっそりとたたずむ
連載第1回目に紹介するのは、JR恵比寿駅から徒歩5分。駒沢通りから一本、路地に入ったところにある「晩酌屋 おじんじょ」。レモンサワー好きの間ではすでに話題沸騰!のお店です。6種類のレモンサワーを飲み比べできるということもあり、遠方からレモンサワー目当てに訪れる方も多い有名店です。
お店にお伺いしました。オシャレな外観。そして軒下には…。
箱にたくさんのレモンが積まれています。実際にこのレモンを使ってメニューが作られているそうです。
お店に入ると、L字のカウンターと、ボックス席が3つ。カウンターの上には、じっくり煮込まれたお豆腐をはじめ、美味しそうな料理が並びます。なんとこのカウンターに並ぶ料理は全部お通し! 数種類のお惣菜のなかから好きなものを選べるんだとか。今回は、withレモン編集部のスタッフが「トマトとナスの煮びたし」をセレクト。
ではいよいよ6種類のレモンサワーを楽しませていただきます。
使っているレモンはすべて国産 6種類のレモンサワー
店長の渡辺 信一郎さんに、まずは使用しているレモンについて教えていただきました。
「うちで使っているレモンは、広島産の瀬戸田レモンで、皮ごと食べられるんですよ。そして、それに合わせるのはうま味もある、アルコール度数35%の焼酎。そこに強炭酸を合わせるので、すっきりとした味わいです」。
呑むのが楽しみになってきました。
「ちなみに、うちではレモンサワーではなく、レモン酎と呼んでいます」。
失礼しました!
いつもの生レモン酎 480円(税別)
先ほど教えていただいた、レモン、焼酎、炭酸を使うベーシックなレモン酎。口をつけた瞬間、レモンの爽やかな香りが鼻を抜けていきます。
うん、おいしい。とりあえずビール! もいいけれど、まずはグビッといきたい一杯ですね。ところで、どうしてこの名前になったんですか?
「初めてお店に来た人でも、『いつもの』とまるで常連さんみたいな気分が味わえるじゃないですか。ちょっとした遊び心です」。
確かに、いつも飲みたくなる、定番の1杯ってありますよね。
ミント香るレモン酎 480円(税別)
次は輪切りにしたレモンのイエローと、ミントのグリーンが見た目にもフレッシュなレモン酎。ミントとレモンの香りが一緒に楽しめます。『いつものレモン酎』よりも甘味があって、お酒の苦手な女性にもよさそう。
「はちみつに付けた輪切りのレモンを使っているので、そのほのかな甘さが女性にも人気ですよ」。
なるほど、この甘さははちみつなんですね。レモンだけで食べてもおいしかったです。
瀬戸田のレモン塩de酎 480円(税別)
こちらはペースト状のレモン塩をアクセントに使ったレモン酎。全部入れて飲むと、レモンの粒々感が楽しめます。レモン塩を少しずつなめながら飲むと、ソルティドッグのような気分に。より強いレモン感が欲しい人は、こちらのレモン塩de酎、オススメです。
「このレモン塩は、もともと料理用の調味料として作ったんですけど、お酒に合わせてみたら面白いんじゃない? ということで、レモン酎のメニューのひとつになりました」
シャリッと!!レモン酎 480円(税別)
さてこちらは、名前の通り、いわゆるパーシャルショットが楽しめるレモン酎。
「焼酎を凍らせて、シャーベット状にしています。それに合わせるのは高圧炭酸水です。冷たくて、ピリッとくるくらいの喉ごしが楽しめますよ」。
シャリシャリとした冷たい焼酎は氷替わりにもなっていて、熱い日にはたまらない冷たーい1杯です!
レモンチェッロで酎 480円(税別)
『レモンチェッロで酎』は、女性に人気の1杯なんだとか。
とろーっとたらして、マドラーでしっかり混ぜていただきます。
少し甘めのカクテルですね! 『ミント香るレモン酎』も女性に人気が高いと思いましたが、こちらはよりレモンの甘さが際立った感じです。「このレモンチェッロも、レモンの皮を漬けてつくった自家製リキュールなんですよ」。
オヤジの麦レモン酎 480円(税別)
いよいよ、6つめのレモン酎です。見た目は『いつものレモン酎』と同じですがその味は…? これは、すべてのレモン酎のなかで一番お酒が強い、ガツンときますね! 男性に人気が高い1杯だそう。「オーナーのお父さんが麦焼酎を炭酸で割って飲んでいたそうで、メニュー名はそこからきています」。使うお酒を変えただけで、ここまで違うものなんですね…。お酒の味がしっかり感じられるので、がっつり飲みたいときにもよさそうです。
レモンと同じ広島のブランド鶏を使った絶品鳥料理にも舌鼓
レモン酎に合う、自慢のメニューも教えてください!
「当店名物、神明鶏の肉汁焼きはぜひ食べてください。こちらもレモンと同じ広島県のブランド鶏を使っているんですよ」。ヘルシーな手羽むね、定番の骨付きもも肉から選べます。
名物 神明鶏の肉汁焼き
ヘルシー手羽むね 1480円(税別)
定番もも肉 1480円(税別)
※本写真は定番もも肉です。
今回はもも肉を食べさせてもらいました。うん、皮はパリパリ、中はジューシー!! 肉汁たっぷりで食べごたえも抜群です。食べる時には、ひと口大に切ってもらえるのもうれしいところです。
「ゆずマスタード、またはレモン塩で食べてみてください。同じレモン塩を使った、レモン塩de酎が合わせやすいと思いますよ」。
エビとパクチーのシューマイ 900円(税別)
「こちらは、今いち押しのメニューのシュウマイです。6種類のなかなら『ミント香るレモン酎』はどうでしょうか」。ミントもパクチーも香草なので、さっぱりと食べられました。
いい飲み屋には、おいしいレモンサワーがある
店長の渡辺さん
全てのレモン酎で、国産レモンを使っていますが、こだわりなどがあったら教えてください。
「もともとオーナーがレモンサワーが好きで、6種類揃えたのは遊び心なんです。お店の売りを3つ作りたくて、そのうちの1つがレモンサワーです。オーナーが広島出身なのですが、たまたまレモン農家さんと知り合ったことがキッカケで、瀬戸田レモンを使おうとなったんです。実は神明鶏も同じような感じです。地産地消目的の少数生産の鶏なんですが、オーナーの地元産なんです」
そうなんですね。国産レモンは安全性の面でも注目されていますし、レモン塩やレモンチェッロを自家製で作れるのも、国産レモンならではですね。
「実際、レモンは皮を食べてもえぐくないし、少し甘みも感じられます。そんなレモンを使ったレモン酎と、おいしい料理をぜひ食べに来てください」。
お話を聞いている間にも、予約の電話がひっきりなしで、人気であることが伺えます。ディナータイムや、週末のコアタイムは予約でいっぱいのことが多いそうですが、週なかの開店直後は比較的ゆったりと飲めるそう。爽やかすっきりとしたお酒がおいしいこの時期、レモン酎の6種類を制覇するのもいいですが、お酒の飲みすぎには注意をしてくださいね!
取材ご協力
お酒に関する記事です。飲酒は20歳になってから。