暖かさが増し、だんだん薄着になっていくこれからの季節。ぽっこりお腹もちょっと気になりますよね。美容に良いと言われているレモン、実はメタボリックシンドロームの予防につながる可能性があるってこと、知っていましたか?
レモンの産地で、レモンの力を探る研究
レモンがメタボリックシンドロームの予防に効く? そんな疑問には、国産レモンの産地、広島県内で行われたレモンにまつわる研究が答えてくれそうです。広島県内のレモン産地の中高年女性111名(平均年齢約59歳)を対象に、レモン収穫前の9月と、レモン収穫時期の3月に血圧、血液成分、動脈硬化指標などの検査を行い、レモン摂取量と検査結果を比較。すると、レモンの驚きの効果が見えてきました!
レモンを多く摂ると、血圧が低くなる!?
日常的にレモンを多く摂る人は、あまり摂らない人に比べて、血圧の変化量が有意に低くなりました。具体的には、レモンを1日に摂る量によっても最高血圧の変化量が違い、レモンを摂る量が1日に平均で0.3個未満(レモン果汁として約10ml未満)の人よりも、1日0.7個以上(レモン果汁として約20ml以上)摂る人の方が、最高血圧が低くなるそう。このことから、レモンは高血圧の予防につながる可能性があると考えられます。
レモンを多く摂ると、肥満に関わるホルモンにも影響?
レモンを多く摂っている人と、レモンをあまり摂らない人とを比べると、レモンを多く摂っている人は、肥満に関連したホルモンである「レプチン」の血中濃度の上昇が低くなる傾向であることもわかりました。レプチンとは、全身の肥満細胞で作られている、食欲やエネルギー代謝を調節するホルモンのこと。体脂肪が多い人は、このレプチンの血中濃度が高いのですが、レモンを多く摂っている人はレプチンの上昇が少ない傾向でしたので、肥満の予防につながる可能性があると考えられます。
レモンを日常的に多く摂ると、血圧が低くなり、肥満と関連するホルモンの値が低くなるという傾向がみられています。高血圧はメタボリックシンドロームの指標の1つであり、日常的なレモンの摂取は、メタボ予防に繋がる可能性が考えられます。
研究では、レモンの収穫前の9月と収穫時期の3月に検査を行い、その間の5ヶ月間、毎日のレモン摂取量を記録しました。レモンの1日平均摂取量と各検査項目の数値の変化との関係性について解析しています。
① レモン1日平均0.7個以上の方(平均でレモン果汁として約30ml):High群
② レモン1日平均0.3個以上~0.7個未満の方(平均でレモン果汁として約15ml):Middle群
③ レモン1日平均0.3個未満の方(平均でレモン果汁として約6ml):Low群①②③の3つのグループに分けて比較したところ、①のグループが、最高血圧が一番低く変化していました。またレプチンの血中濃度の変化量も一番低い、という結果に。摂取量は1日1個以上を意識して、しかも継続してレモンを摂ることはメタボ予防につながる可能性があると言えそうです。ところで1日1個=約30mlとは、大さじで2杯分。1日3食で考えると、意外と無理なく摂れると思いませんか?