数年前よりテレビで注目されたことで人気が爆発した「レモンラーメン」は、ラーメン屋さんのなかで、ひときわ異彩を放つメニューです。お店ごとに風味が異なる「レモンラーメン」、都内で人気の3軒を食べ比べしてきました!
日本蕎麦から生まれた、元祖「レモンラーメン」
「りんすず食堂」
都営新宿線大島駅すぐそばにある「りんすず食堂」は、「レモンラーメン」人気の火付け役として知られています。元グラフィックデザイナーという店主の原田暁さんがここに店舗を構えたのが約10年前。オープン後、何か看板メニューになるものはないかと考えていたところ、日本蕎麦屋を営んでいた弟さんのお店の「すだち蕎麦」にヒントを得て誕生したのが「レモンラーメン」。その数年後に、某人気テレビ番組で取材されたことで一躍人気メニューに躍り出たそう。
「蕎麦の上に輪切りにしたすだちを一面に並べた見た目に惹かれ、ラーメンに合うように考えて生まれました。弟のアイデアのパクリですよ(笑)」と、おどけてみせる原田さんですが、すだちを一面に並べることで、より美しくインパクトのあるメニューにした弟さんもさることながら、ラーメンとレモンを組み合わせるアイデアを思いついたというから、さすが元デザイナー兄弟(弟さんも元デザイナーなんだそう)!
生い立ちを知ったところで、ちょうど出来上がった、りんすず食堂の「レモンラーメン」早速いただきます!
約1個分のみっちりとしかれたレモンの下に箸を滑らせ、レモンの酸味が加わったスープとともに細麺をいただくと、なんともさっぱりした美味しさが広がります。このさっぱり感はレモンはもちろん、スープにも秘密があるそうで、こちらも日本蕎麦からヒントを得て、つけダレを応用して開発したものなんだとか。枕崎産の厚削り鰹節に返しを加えたベースに、鶏ガラスープ、昆布と椎茸のスープを合わせたという、他にはないさっぱりしているのにコクがある複雑な味わい。さらにレモンの果汁が加わり、なんだかいくらでも食べられそうな気分に!もともとは1杯飲めるラーメン屋として営業もしていた「りんすず食堂」の、締めの一杯としておすすめしていたメニューだったそうで、優しさからあふれるさっぱり感がおいしいラーメンです。
店名の由来でもある原田さんの娘さんたち(りんさんとすずさん)がイラストを手がけたというメニューがあったり、お子さん連れでもゆっくり過ごせるテーブル席があったりと、女性にも優しい仕様。中学生からおばあちゃんまで、幅広い層の女性のみなさんが1人で訪れるそう。「レモンラーメンはもちろんですが、女性のみなさんにもうひとつおすすめしたいのが『モツ南蛮ラーメン』。コラーゲンがたっぷりですよ!」と原田さん。ビタミンCとコラーゲン、女性に嬉しいラーメンメニューを取り揃える「りんすず食堂」には他にも、ここにしかないユニークなメニューがたくさん。ぜひお店でその由来を聞いてみてくださいね!
中華蕎麦 りんすず食堂
住所/東京都江東区大島5-7-3 成毛ビル 1F
電話番号/090-8845-2248
営業時間/11:30~15:00、18:00~21:00(月~金)、11:30~16:00、18:00~21:00(土日祝)
イタリアン出身のシェフが手がける、超ヘルシー「レモンラーメン」
「らぁ麺 レモン&フロマージュ GINZA」
次なる「レモンラーメン」は、イタリアン出身のシェフが手がけるお店です。平日だというのに、国内外の人々で大いに賑わっている銀座に到着。早速お店へお邪魔します。
“丼一杯のフルコースが作りたかった”というシェフの思いから、健康食材を取り入れ、美容食として捉えた個性派ラーメン店を都内に続々とオープン。銀座店は2018年12月にオープンしたばかり。店名にあるようにメニューは、「フロマージュ」(チーズ)と「レモン」の2種類で、レモンがメインになっているのはここ銀座店だけだそう。
特にユニークなのは、麺の種類。一般的な小麦麺、低カロリーでグルテンフリーの糖質ゼロ麺、小麦麺と糖質ゼロ麺のハーフ&ハーフの3種類から選べます。「よりレモンを感じられる、こんにゃく麺タイプの糖質ゼロ麺が私は好きです」とスタッフの方のオススメもあり、ヘルシー感たっぷりの糖質ゼロ麺をオーダー。
「レモンスライスは苦みがあるのであえてのせていません。美容効果を出す為に、何とスープの3分の1がレモン果汁です」と石塚シェフ。穏やかな酸味かと思いきや、ひとくちいただくと想像をはるかに超える酸味たっぷりの爽やかスープ!ベースの鶏がらスープに、レモンのほかにもライムなどの柑橘類もブレンドしたフレッシュジュースをたっぷり入れているそう。味わいに癖のないぷるぷるの糖質ゼロ麺のおかげで、よりスープの味わいが感じられ、疲れた時や、食欲のない夏にもぴったり合いそうな、超爽やか系のヘルシーな「レモンラーメン」でした。
らぁ麺 レモン&フロマージュ GINZA
住所/東京都中央区銀座3-2-1 マロニエゲート銀座2 B2F
電話番号/03-6263-2107
営業時間/11:00~21:00(L.O.20:30)
定休日/マロニエゲート銀座に準ずる
https://www.dueitalian.jp
まろやかなスープにレモンの酸味がマッチ!
「鶏そば 壽(ことぶき)」
最後の一杯は、ラーメンの激戦区池袋にありました。飲食街が軒を連ね、入れ替わりが激しい池袋にある「鶏そば 壽(ことぶき)」は、今年で5年目という人気店。
2年ほど前からSNSをきっかけに、急にレモンラーメンが人気になり、今では男性も女性もお客様の半分以上はレモンラーメンを注文。オープン当初は、1個分しかスライスを用意してなかったレモンも、今では100個以上カットするまでに。
「鶏そば」という店名の通り、スープは鶏ガラからつくられた、クリーミーな鶏白湯。養鶏場の横にスープ工場があり、毎日フレッシュなスープが店舗に届けられるそう。注文時に、こってりとあっさりからスープを選びます。
真っ白なスープの上にレモンがずらり。意外な組み合わせかと思いきや、豚骨のような濃厚なコクのあるスープに爽やかな酸味がプラスされ、なんとも絶妙な味わい。鶏ガラなのでクセもなく、スープだけでも美味しくいただける一杯です。途中でセルフサービスの「赤ゆずこしょう」をトッピング。ピリ辛が加わり、味わいの変化もたのしめ、あっというまにぺろりと1杯。ごちそうさまでした!
鶏そば 壽(ことぶき)
住所/東京都豊島区西池袋1丁目18−1 五光ビル
電話番号/03-5958-0180
営業時間/11:30~22:00(L.O.閉店の10分前)(食材がなくなり次第終了)、月・火 定休日
https://www.facebook.com/torisoba.kotobuki/
レモンが加わることで
食べた後にスッキリ!
美味しくても、胃にもたれてしまったり、食後に口直しがしたくなるラーメンの印象をガラリと変えてくれた「レモンラーメン」。和風出汁が効いている「りんすず食堂」、レモンジュース感No.1の爽やかな「らぁ麺 レモン&フロマージュ GINZA」、コクのある鶏白湯とレモンのバランスがクセになる「鶏そば 壽(ことぶき)」と、三者三様の異なる味わいでしたが、どの店舗も食べた後の爽やかさは同じ。ちょっと元気がないなというときや、疲れているとき、そして食欲がない夏などにも「レモンラーメン」はおすすめです。もちろん元気もりもり食欲旺盛のときにもぜひお試しいただき、お好みの「レモンラーメン」を探してみてくださいね!