実験を通して楽しくレモンのことを学ぶことができると聞いて、東京都千代田区にある「科学技術館」で開講されている子ども向け実験プログラム「レモンのチカラ」に参加しました!今回は実験の様子と楽しさをレポートします!
参加体験型で科学技術を楽しく勉強しよう!
withレモン編集部が訪れた「科学技術館」は皇居の隣、美しい緑に囲まれた北の丸公園の中にあります。公園の中にこんなに立派な建物があるなんてびっくりですね。
科学技術館は公益財団法人日本科学技術振興財団が運営する施設で1964年に開館されました。実際に見て触れて、科学技術に興味・関心が深められるように工夫を凝らした展示が定評です。
レモンのチカラを楽しく学べるプログラムは、毎週日曜・祝日の15:30から約20分の間、4階の「実験スタジアムR」にて開催。
レモンに含まれているクエン酸やリモネンなどの効果を、3つの実験を通して体験することができます。予約なしで当日参加ができるので、実験開始前から席はどんどん埋まっていきます。取材した日には50人ほどが参加していました。
「みなさんはレモン好きですか?レモンの果汁にはいろいろな成分が入っていて、ふしぎなチカラがあるんですよ」と明るい声で教えてくれるのは、科学技術館の髙橋 可那子さんです。
いよいよ実験スタートです!
実験1 レモンのエッセンスについて学ぼう!
「まずはレモンに含まれている謎の液体を一滴、風船にかけてみましょう」。
すると「バンッッッ」
なんとびっくり!針で刺してもいないのに、風船がいきなり割れました。液体の正体は何なのでしょうか?子どもたちも興味津々です。
続いてその液体を入れたカップのにおいをかがせてもらいます。パタパタしながら香りをかぐ子どもたちから「いいにおい」「ちょっとツンとするね」と感想が飛び交います。
「レモンみたい!」そう、液体の正体はリモネンを集めたもの。リモネンはレモンやオレンジなどの皮に含まれる香りの成分で、ゴムやプラスチックを溶かす性質があるそうです。だから簡単に風船が割れたんですね。
実験2 カルシウムとクエン酸がすごい!
続いて、次の実験です。
「みなさんはクエン酸を知っていますか?実はクエン酸はレモンの酸っぱさのもとになっているんですよ。カルシウムという言葉は聞いたことのある人が多いですよね。実は普段私たちが食べているカルシウムは『○○カルシウム』というように、別の物質とくっついているんです。この炭酸カルシウムもそうです。炭酸カルシウムは水に溶けにくいんですよ。ではクエン酸と炭酸カルシウムを使ってふしぎな実験をします」。
まずは後ろにはレモン忍者「レモンじゃ」がいる容器に、炭酸カルシウムを入れて水を注ぎます。
かき混ぜると、みるみるうちに水が白くにごり、「レモンじゃ」が見えなくなってしまいました。ここで「指示薬」という、カルシウムが水に溶けているかいないかを教えてくれるふしぎな薬を入れます。溶けていないと青紫色に染まるそうですが、入れてみると……。
白かった水もあっという間に青紫色になりました!炭酸カルシウムが水に溶けていないことがわかります。
さて、次はクエン酸の登場です。クエン酸がたくさん含まれているものといえば、レモンですよね!
レモン果汁を10滴くらいふりかけます。すると……!?
青紫色の水がピンク色に!
混ぜてみると……「レモンじゃ」が見えてきました!
「クエン酸にはカルシウムを水に溶けやすくしてくれるチカラがあるんです。つまり、カルシウムを溶けやすい形に変えます。このチカラを『キレート作用』と言うんですよ」と髙橋さん。
最後はいよいよおいしい実験です!
実験3 「ラッシー」を作ってみよう!
先ほどの実験では、レモンに含まれるクエン酸がカルシウムを溶けやすくしてくれることを学びました。でも、それだけではありません。クエン酸には牛乳に含まれるたんぱく質を固めるチカラもあるそうです。
「牛乳とレモンの相性は抜群。そして、カルシウムなどのミネラルはレモンと味の相性も良いんですよ」。
おいしくて、健康にも良いフワフワの「レモンラッシー」。髙橋さんに作っていただきながらご説明いただきます。
材料は牛乳200ml、ガムシロップ(大さじ2)、レモン果汁(大さじ2)。
たった3つなので、小さなお子さんでも簡単に作ることができます。ガムシロップをはちみつに替えてもおいしいレモンラッシーができるそうですよ。
はちみつを使用する場合は、1歳未満の乳児には与えないでください。
ガムシロップ、レモン汁、牛乳の順にそっと注いで、マドラーで混ぜます。
かき混ぜると、牛乳のたんぱく質が固まってきました。
変化していく様子に子どもたちも前のめりに!
レモンラッシーのできあがり。さっそくいただきます!
口あたりはとてもまろやかで飲みやすく、爽やかなレモンのおかげで後味はさっぱり。「おいしいね」と参加されている方の顔もほころびます。
おみやげにはなんと「ポッカレモン100」をひとり1個プレゼント!今日の実験を家でもやってみたくなりますね!
「家にある食材に『ポッカレモン100』をかけて、何が一番おいしいか実験してみたい」という男の子の声も。
最後に髙橋さんに実験を通して伝えたいことは何かをお聞きしました。
「子どもたちに実験を通して何かを発見してもらうことが一番のやりがいです。『発見した顔』をみると私もついつい笑顔になってしまいます。科学技術館で1日たくさん遊んで、学んで、最後にレモンラッシーを飲んでから帰るのも大歓迎です!」
おわりに
「実験」と聞いて身構える必要はありません。「レモンのチカラ」実験プログラムでは、お子さまはもちろん、大人でも楽しくレモンに含まれる成分について学ぶことができます。夏のおでかけに、自由研究に、科学技術館にぜひ足を運んでくださいね!